愛媛県宇和島市は2024年5月13日、愛媛県内の自治体として初めて自走型AIコミュニケーションロボット「temi(テミ)」を市役所本庁舎の総合案内に導入し、窓口サービスの運用を開始しました。同日、宇和島市総合体育館でも運用がスタートしています。temiは、西日本豪雨(2018年)をきっかけに宇和島市を支援している株式会社大塚商会から、企業版ふるさと納税で寄贈されたものです。

宇和島市役所1階で来庁者を案内するtemi
宇和島市役所の総合案内で来庁者を窓口まで先導するtemi(出典:南海放送)

導入の概要

導入自治体愛媛県宇和島市
運用開始2024年5月13日
設置場所(初期)市役所本庁舎1階 総合案内 + 宇和島市総合体育館
整備台数(計画)36台(市役所・支所・公民館・体育館)
機種temi(自走型AIコミュニケーションロボット)
導入経緯株式会社大塚商会より企業版ふるさと納税として寄贈
支援の契機2018年 西日本豪雨での被災支援
県内初自治体窓口へのロボット設置は愛媛県初
担当課宇和島市 デジタル推進課(小島佑貴主任)

導入の背景 ― 人手不足と西日本豪雨からの支援

全国の自治体と同様、宇和島市も深刻な人手不足に直面しています。総合案内の職員が限られる中、来庁者一人ひとりを目的の窓口まで案内することは困難でした。宇和島市デジタル推進課の小島佑貴主任は「窓口までの丁寧なご案内というのをロボットの力を借りてサービスを提供しよう」と導入の意図を語っています。

temiの寄贈元である大塚商会は、2018年の西日本豪雨をきっかけに宇和島市を含む四国西南部12市町村と災害時相互応援協定を締結。2023年には「地方創生の推進に向けた包括連携に関する協定」へと関係を深め、企業版ふるさと納税を通じてtemiのほか、入退室管理システム「Akerun」(37施設)、LPガス発電機(34施設)、避難所可視化システム「みえーるプラットフォーム」なども寄贈しています。

temiの3つの活用シーン

① 窓口案内 ― 目的の課まで自律走行で先導

総合案内の職員がtemiのタッチパネルで目的地を選択すると、temiが「私がこども家庭課まで案内しますので私の後ろについてきてください」と音声で伝え、来庁者を先導して窓口まで誘導します。案内が終わると自動で元の位置に帰還します。

② 施設予約 ― 公民館や体育館の空き状況を確認・予約

temiの画面上から公民館や体育館などの公共施設の空き状況を確認し、その場で予約することが可能です。窓口での書類記入が不要になり、宇和島市が推進する「書かない窓口」改革とも連動しています。

③ 避難所受付・遠隔巡回 ― 防災DXの中核として

宇和島市はtemiを平時の窓口業務だけでなく、被災時の避難所運営にも活用する計画です。避難所での受付業務や、遠隔地からのロボットによる避難所巡回監視にtemiを活用。入退室管理のAkerunやLPガス発電機と組み合わせることで、夜間・休日など職員不在時でも避難所の開設・運営が可能になります。

36台体制で支所・公民館にも展開

宇和島市は、市役所本庁舎と総合体育館を皮切りに、支所や公民館を含む計36台のtemi整備を進めています。これは全国の自治体におけるtemi導入規模としても突出した数です。各施設にtemiを配備することで、住民がどの窓口を訪れても一貫した案内サービスを受けられる体制を構築しています。

全国に広がる自治体×temiの導入事例

temiを活用した自治体の窓口案内は全国に広がっています。茨城県守谷市ではデジタルサイネージとの連携、北海道滝川市では企業版ふるさと納税による寄贈、熊本県八代市では実証実験と、それぞれの地域課題に合わせた導入が進んでいます。宇和島市の事例は、平時の窓口DXと有事の防災DXを1台のロボットで両立させた先進モデルとして注目されています。

お問い合わせ

自治体庁舎へのtemi導入をご検討中の方は、お気軽にお問い合わせください。企業版ふるさと納税を活用した導入スキームや、防災DXとの連携についてもご相談いただけます。

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